人とのコミュニケーションに自信がないコミュ障の人は、どんな仕事が向いているんだろう? と悩むことがあると思います。
私もそうでした。
そして、プログラマーという仕事はパソコンでやる仕事だし、コミュ障でもできる仕事なのかなと興味を持ちました。
実際にプログラマー(エンジニア)として働いてみてどうだったのか、経験から思うことを書いておきます。
結論としては、プログラマーは(条件を満たしていれば)コミュ障にもオススメの仕事です。
目次
コミュ障の定義
コミュ障という言葉をこの記事ではどういう意味で使用しているのか、まず説明しておきます。
この記事では、医学的な意味のコミュニケーション障害ではなく、コミュニケーションが苦手という人を想定しています。
下記の特徴を持っているような人をコミュ障として想定しています。
- 初めて会う人とうまく話せない
- 人と盛り上がって話すのが苦手
- 相手が何を考えて求めているのかわからないし、なにを話せばいいのかわからない
- 人と話すのが怖いし苦手で苦痛
- 人と話すときは小声だし、あまり目も合わせられない
- リアクション・反応の取り方がわからない
- 集団で話している人たちの輪に入っていけない
- 人と話すのが面倒くさい
コミュ障だなと思って生きてきた人は思い当たるフシがあるかと思います。
たぶん、こういう人がプログラミングが好きだからといったポジティブな理由ではなく、コミュ障でもできるのかなというネガティブ(?)な理由でプログラマーという職業に興味を持つのかなと思っています。
私はそうでした。
そして、実際に働いてみた感想として、上記のような特徴を持ったコミュ障でもプログラマーとしてやっていくことは可能だと思っています。
プログラマーという職種がなぜコミュ障でもできるのか
プログラマーがどうしてコミュ障にもオススメの仕事と言えるのか、その理由を経験から書いていきます。
プログラマーという仕事の役割
まず、IT業界の働き方についてよく知らない人向けに、日本のIT業界で働く人を簡単に分類して説明します。
(厳密に役割が分かれていないこともありますし、IT業界でも分野や現場によって違います。イメージを掴むためのものと思ってください)
- プロジェクトマネージャー:プロジェクト全体の進み具合を管理する仕事。管理職。
- システムエンジニア:お客さんが「こんなシステムを作ってよ」と要求してきたら、具体的にどんなシステムを作るか、大枠を設計し提案する仕事。企画職。また、プログラマーに指示を出す仕事。管理職。
- プログラマー:具体的にシステムの部分部分をプログラミングして作っていく仕事。製造職。
プロジェクトマネージャー、システムエンジニア、プログラマーの関係性としては、下記の図のイメージで十分です。
プログラマーに求められる能力の比重は、コミュニケーション能力よりも、プログラミング能力に対してがずっと大きいです。
プログラマーという仕事の特徴
プログラマーという仕事の特徴に焦点を当てて書いていきます。
- 会話相手
- 会話内容
- 会話手段
- 業務時間の過ごし方
プログラマーの会話相手
プログラマーが仕事上でやり取りする人間は、基本的に上司(システムエンジニア)か同僚(システムエンジニア or プログラマー)になります。
お客さんと直接やり取りする必要がありません。
つまり、お客さんに気を遣う必要がありません。
自分のそのときの感情を無視して無理に笑顔を浮かべたり、なんとか上手に話題を振ろうとする必要がありません。
相手の気持ちを常に感じようと気を張るというのは、コミュ障にとっては精神的な疲れがひどいものです。
私は接客業や飛び込み営業職を経験していますが、その頃は、常にお客さんからどう見られるかを気にしないといけなくて、ストレスになっていたと思います。
プログラマーはお客さんの相手をしなくてよい仕事なので、かなり精神的にラクチンです。すごく実感しています。
プログラマーはシステムエンジニアやプログラマーの相手をしているだけでよいのです。
プログラマーの会話内容
システムエンジニアとプログラマーとの会話は、プログラミングに関しての業務会話ができれば問題ありません。
プログラマーは、システムエンジニアの指示に従ってプログラミングをしていきます。
プログラマーに指示を投げられる段階で、大まかな設計の方針は決めれられています。
あくまでプログラマーに求められる役割の本分は、設計方針を元にして具体的にプログラミングしていくことです。
システムエンジニアとのやり取りは、3つです。
- 設計に疑問があれば聞く
- 設計に不備があれば修正の提案をする
- 自分がプログラミングしたものに問題がないか確認してもらう
システムエンジニアの人は、プログラマーにコミュ障が多いことを知っています。
(きちんとした)システムエンジニアの人ならコミュ障にもわかりやすい指示をくれますし、別にお客さんと違って気を遣う必要はないというのがラクです。
現場によっては、日本語がカタコトでしか話せない外国出身のプログラマーがいるのですが、そういったプログラマー相手にも意思疎通を取れるコミュニケーション能力をシステムエンジニアは備えています。
カタコトの日本語でもなんとかできてしまう仕事がプログラマーです。
コミュ障でも日本語が話せるならなんとかできる仕事がプログラマーです。
同僚であるプログラマーとのやり取りもシステムエンジニアとほぼ同じで、後は以下のような会話もあるくらいです。
- 自分の作成している部分と他の人が作成している部分で不具合が生じないか確認する
- プログラミングでわからない箇所があれば質問する
プログラマーもコミュ障が多いことを知っているというか、コミュ障同士でのやり取りになることも多々あるので和みます。
プログラマーはプログラミングに関しての業務会話ができれば問題ありません。
プログラマーの会話手段
IT業界では、隣の人に対しても直接話しかけるのではなく、メールやチャットでやり取りをするということも多いです。
理由は3つあります。
- 後で問題が生じないように、やり取りを記録に残すため
- 集中してプログラミングしている人のジャマをしないため
- コミュ障のため(人と話すのが面倒なため)
現場によりますが、本当に静寂空間のような現場もあります。
出社してから退社するまで一言も話さないという人も見かけます。
私の場合は、直接話しかけたいときはや話かけた方が効率がよいときは話しかけます。
人と話したい気分じゃないときや、相手が苦手な人のとき、文章の方が伝えやすいときはメールやチャットのみにしています。
プログラマーは他の職業に比べて、別に人と話さなくてもよい雰囲気があります。
(フルリモートで自宅で働くという選択肢も可能な職場もあります)
プログラマーの業務時間の過ごし方
プログラマーは、一日の大半をパソコンの画面と向かい合って座っているだけの業務時間を過ごします。
- プログラミングをするのに必要な資料・設計書を読む
- プログラミングする
- メールチェックをする
上述したように、人と話す機会もありますが、全体の時間割合で言えば10%程度です。多くても20%です。
圧倒的に、一人でパソコンに向かい合っている時間が多いです。
コミュ障でも働きやすいプログラマー
これまでの記事の内容をまとめてみます。
- 会話相手は気遣いを(そんなに)しなくてよい人だけ
- 会話内容は特定の内容に限定されている
- 会話手段はメール・チャットでOK
- 業務時間はほとんどパソコンを眺めているだけ
なので、私としては、プログラマーはコミュ障でも働きやすい仕事の一つだなと思っています。
(プログラマーでもコミュ力があった方が仕事の幅が広がるので有利なのはもちろんありますよ)
一番コミュ障に向いている仕事かどうかは、わかりません。
絶対的にコミュ障に向いているのかと言われると、わかりません。
人それぞれでしょう。
ただ、間違いなく言えることは、接客業や営業職と比べたら、天地ほどの差があるということです。
プログラマー以外にも、技能系の仕事や単純作業系の仕事などコミュ障に向いた仕事は他にもたくさんあると思っています。
その中でもプログラマーを選びたい人がプログラマーになればいいと思います。
最後にプログラマーになる前に注意しておいて欲しいことを書いておきます。
プログラマーになれるコミュ障の条件
プログラマーはパソコンと向かいあって、考える仕事です。
毎日、決まりきった内容の仕事をするわけではなく、自分の頭を使って考える必要のある仕事です。
なので、パソコンに向かって座って、じっと物事を考えらないという人には向かない仕事です。
能力的には、高校の文系数学ができる人であれば、十分食べていくことは可能なんじゃないかなと思いますが……
IT技術は移り変わりがありますので、勉強をし続けていける人じゃないとプログラマーは厳しいんじゃないかなと思います。
コミュニケーション能力の代わりに、プログラミング能力が求められるので、それでも大丈夫という人じゃないとつらくなると思います。
瞬発的な臨機応変な会話能力や気遣い能力の代わりに、継続的にコツコツと地味に学習する能力が求められます。
(その代わりに、プログラミング能力が高い人は高い収入が得られる可能性も十分にあります)
それと、IT業界といってもコミュ障に優しい現場とそうじゃない現場があるので、職場選びが幸せな働いやすさに影響します。
これらのことを意識して、それでもプログラマーでやっていこうという人は、コミュ障でもプログラマーとしてやっていけると思います。
ではでは。