同一労働同一賃金の意味と、どんな影響があるか

同一労働同一賃金という言葉を最近よく聞くようになったので、その意味影響について簡単に書いてみようと思います。

同一労働同一賃金の意味とは

同一労働同一賃金とは、同一の仕事(職種)に従事する労働者は皆、同一水準の賃金が支払われるべきだという概念

性別、雇用形態(フルタイム、パートタイム、派遣社員など)、人種、宗教、国籍などに関係なく、労働の種類と量に基づいて賃金を支払う賃金政策のこと。

同一労働同一賃金の考え方は西ヨーロッパ各国で始まって、オランダをはじめ、すでに浸透している国があります。

また、日本でもすでに取り入れている企業もあります。

欧州と日本の賃金体系

欧州では主に仕事の内容、つまり「職務」によって賃金が決まります。

この「職務型」に対し、日本企業の多くは「職能型」であり、能力やスキルで賃金が決まるとしてきました。

ただ、日本では能力やスキル評価の仕組みが整わないまま、戦後経済、高度経済成長を過ごしてきたので、実際には、職能の部分は勤続年数、年功序列で評価されるような賃金体系になっています。

一億総活躍プラン

安倍内閣は6月2日、「一億総活躍プラン」を閣議決定し、同一労働同一賃金の実現に向けた施策を打ち出しました。非正規雇用の待遇改善が狙いとのこと。

「正規か、非正規かといった雇用の形態にかかわらない均等・均衡待遇を確保する。そして、同一労働同一賃金の実現に踏み込む。同一労働同一賃金の実現に向けて、我が国の雇用慣行には十分に留意しつつ、躊躇なく法改正の準備を進める」

ただし、今回のプランでは「同一企業内の正社員と非正規社員(パート・契約・派遣社員)の賃金の違い」をターゲットにしているようで、正規・非正規を問わず同じ企業に勤める職務が同じ労働者であれば同じ賃金にしていこうということになります。

同一労働同一賃金で考えられる影響

・月給制よりも時間給制になる
・時間給にプラスして、その他の上乗せ分が給料になる
・正社員と非正規の賃金格差が縮まる
・人件費抑制のための非正規は意味を持たなくなる
・年功序列、勤続年数が長いだけで賃金が上がるわけではなくなる
・仕事内容が同じなら、企業による賃金差がなくなっていくので、転職市場が発達する
・「どの職務にいくらの賃金がふさわしいのか」のガイドラインが必要になる
・企業側は「賃金差の合理的理由」の立証責任が出てくる

同一労働同一賃金に関する最近の裁判の判例

2016年5月13日、ある運送会社にされた訴訟で、
定年前から同じ仕事をしているにも関わらず、賃金が下げられたのは労働契約法20条(有期労働者への不合理な労働条件の禁止)違反だとの判決が東京地方裁判所で出されました。

会社側に訴えた社員それぞれに約100~200万円を支払うよう命じられました。

これまでは、賃金格差について同条違反を認めた判決は例がなかったそうです。
つまり今回の判決は、これまでと違って、賃金格差について同条違反を初めて認めたということです。

この判決も、同一労働同一賃金を裏付けるものとして、今後の労働条件への影響があると考えられます。

日本と現状と感想

感情を交えないで考えれば、私は同一労働、同一責任、同一賃金というのは合理的に正しいことだと思います。

しかし、世の中、感情にあふれてますし、正しさが通用しないこともたくさんありますからね。

まあ、日本は今まで年功序列でしたし、同一労働同一賃金を導入しようにも大変だろうなと思います。

まず、純粋に制度を考えて整えるのが大変でしょうし。
また、正規雇用されている人や、年功が高い人などの給料が減るということになりますので、それらの既得権益を持った人たちの反発をどうにかするのも大変でしょう。

ただ、2016年の非正規雇用者は全体の4割です。

koyoukeitai-suii

若くて非正規で働いていて、同じ仕事量をしているのに正規よりも給料が少ないと不満に感じている人、
老いて非正規で働くようになって、正規の頃と同じ仕事量をしているのになぜか給料は減ると不満に感じている人。

こういった不満を抱える人の数がこれからも増えていき、抗議活動が活発になっていけばいずれは今と違ってくるんじゃないかなと思います。

 

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