オリコンという言葉はよく耳にすると思います。
初めて聞いたときはオリコンってなんの意味だろう?って思いつつもあまり意識してこなかったのですが、改めてオリコンのランキングデータの情報元はどこからくるのか気になったので調べてみました。
オリコンの意味
オリコンとは、オリコン株式会社(Oricon Inc.)のことになります。会社名だったのですね。
私はてっきり、オリジナルコンテストみたいな言葉の略かなと考えていて、日本には総合的に売り上げや人気を調査するための機関、団体があるのだと思っていたのですが、全然違っていました(笑)
創業者である小池聰行さんが、日本で初めてのレコード売り上げランキング誌である「総合芸能市場調査」を創刊したのが始まりの会社です。
オリコンという名前の由来は Original Confidence (オリジナルコンフィデンス:絶対的な信頼)の略からでした。(オリジナルは予想通りでしたが……残念です(笑))
wikipediaによると、オリコン株式会社は、ヒットチャート(主に音楽市場で用いられる売上・リクエスト数による販売順位表)をはじめとする音楽情報サービスなどを提供する日本の企業グループの持株会社と説明されています。
主要株主としては、以下のようになっていました。(2012年時点。wikipediaより)
有限会社リトルポンド 29.34%
吉田嘉明 (DHC会長) 8.94%
株式会社光通信 4.94%
小池恒(現社長、創業者の長男) 2.75%
株式会社ローソン 1.98%
小池秀効 1.89%
小池尚子 1.87%
株式会社DHC 1.59%
小池結実 1.55%
小林姓の方は創業者の血縁関係なのでしょうが、他はなぜこういった構成になっているのかはわからないですが、置いておきます。(詳しい方がいたら教えてください)
オリコンの売り上げ規模と事業内容
オリコンの売り上げ規模
音楽業界では、youtubeなどの影響なのか、CDや音楽配信の売上は伸び悩んでいるようですが、音楽の売り上げランキング雑誌から始まったオリコンの現在の売り上げはどうなっているのかというと、以下のようになっています。
(出典:オリコン決算資料2016)
若干の減少傾向のようですね。
オリコンの事業内容
私にとってオリコンというと、音楽や書籍のランキング発表といったイメージで、データベース事業が中心なのかなと思っていたのですが、どうやらそうではないようです。
データベース事業自体も創業当初のように音楽のみならず小説やDVD映像、さらには医療情報といったものにまで手を伸ばしていっているのですが、データを単に収集、提供するだけに留まらず、データを活かして周辺の事業で多角的に展開しているようですね。
詳細な売り上げデータを活かせる、顧客満足度調査事業と広告事業であるコミュニケーション事業が拡大しているのがわかります。これはオリコンが持っているデータを考えると今後も伸びていきそうな気がします。
音楽配信のモバイル事業やソーシャルゲームもやっていて、さらには意外なことに太陽光発電事業までやっているんですね。
意外と言えば、フィーチャーフォン(ガラケー)向けの配信サービスで売り上げが7億あるのも以外です。
オリコンのランキングデータの情報源
さて、オリコンという言葉の意味や会社のことはなんとなくわかったと思うのですが、肝心のデータはどこから持ってきているのかということです。
私はオリコンの意味そのものよりも、オリコンで使われているランキングデータがどこを情報源としているのかが知りたかったのですが、調べてみると以下のようでした。
ヒットチャートは実売枚数ではなく、全国約3020の協力店における売り上げから推定した値。
そのうち2200店がPOSシステムによるオンライン集計、残りはFAXによる集計である(2007年1月現在)。
以前は売り上げ推定値は10枚単位であったが、近年推定精度が向上したためか、1枚単位の数値を発表している。(出典:Hatena Keyword)
音楽・映像ソフトを販売している全国約22,930店の調査協力店(CDショップ、レンタルや書籍などを扱う複合店、家電量販店、コンビニエンスストア、ジャンル専門店、インターネット通販)の店頭、イベント会場等での販売実績をもとに、全国の週間推定売上枚数を算出したものです。
これを見ると、ランキング情報の精度としてはオリコンに加盟している販売店におけるものになっています。
オリコンに加盟していないお店での購入はランキングには反映されないし、近年になって増えてきた各サイトやアプリなどでの電子出版ダウンロードの数などは拾い切れていなくて、そこらへんの人気ランキング動向までは現時点では守備範囲に入っていないのかなと感じました。
それでも現状では、たくさんの情報源を持っていて、販売データを網羅的に把握して公開しているのはオリコンくらいじゃないでしょうか。
オリコンに加盟している販売店における情報精度としては高いのは間違いないでしょうし、全国2万を超える販売点からの情報と考えれば、それなりに日本の消費者の傾向を捉えているとも思います。
日本国内で音楽、小説、漫画、映像などの売り上げデータを、販売形態によらず全国的に網羅し、かつ一般に公開して知らせてくれるような組織が出てきてくれたら……と思いますが、無理なんでしょうかね。