世の中には、なぜか「サービス残業」なる言葉があります。
社会人のほとんどの方は経験されたことありますよね?
ただ、中にはサービス残業が過酷すぎてストレスがやばかったり、生活に支障をきたしてしまっている人もいるかと思います。今回は、そんな人たちが知っておくとよいかもしれないアプリについてです。
目次
サービス残業とは
使用者(雇用主)から正規の賃金(労働基準法が定める時間外労働手当)の全額を支払わず、その責任を免れる時間外労働の俗称であり、サビ残、賃金不払い残業とも言われています。
雇用主がその立場を悪用することで被用者(労働者)に対して強制を強いる場合が一般化していると。
よくよく考えると「サービス」+「残業」というすごい言葉の組み合わせに思えます。爽やかな善意あふれる言葉にも聞こえます。労働者側が本当にサービス精神を持ってやっているなら何も問題はないのでしょうが……
サービス残業が多い社会
実際は、サービス残業を半強制でやらされている方が多いんじゃないでしょうか。
残業代を支払わないで労働者に長時間労働をさせる、というのは立派な不正なんですよね。
サービス残業が当たり前で、
残業代を支払わず、不正をしている「ブラック企業」が野放しで蔓延している現状ですと、法令を守っている「ホワイト企業」が市場で不利になるという不公正な競争になってしまっています。
不正をしている企業が得をするような社会は、疲弊する社会だと言う人もいます。
サービス残業の撲滅に無料アプリ「残業証拠レコーダー」について
残業証拠レコーダーとは
スマホのGPS機能を用いて、残業時間を自動的に記録する無料のアプリです。
日本リーガルネットワークの弁護士が開発したアプリになります。
簡単に残業代の概算ができる
最初に10個ほどの質問に答えるだけで、自分の残業代の概算を知ることができます。
このアプリを使った人の中には、未払いの残業代がせいぜい数十万だと思っていたのが、数百万から数千万に上った人や、未払い残業代請求を諦めようとしていたが、実際の額を知ったら請求してみようという気になった人もいたということです。
残業代を請求する際の証拠にできる
スマホのGPS機能で労働時間を自動的に記録し、会社側に残業代を請求する際の証拠として用いることができます。
会社の場所を設定しておくと、スマホのGPS機能で、会社にいた時間を労働時間として自動的に記録し、労働基準法や判例、行政通達などに基づいて残業代を算出してくれます。
営業職などの場合は取引先を登録しておくことで、取引先所在地にいた時間も勤務中として記録できます。
「裁判の証拠」として採用される記録を残すために、GPS記録やその際に残したメモはサーバーに送られ、サーバーの情報を改変することができないしくみです。
(後日アプリの中で手動で勤務時間を調整することもできますが、その際の変更履歴も記録されます)
これによって、今まで会社側にしかなかった労働時間の証拠を、労働者側が客観性の強い記録として持つことができるようになるとのこと。
未払い残業代を請求するとき労働者は、未払い残業代があると自ら証明しなくてはならないのですが、会社側が持っているタイムカードのなどの労働記録情報を入手するのは困難なことがよくあります。
そんなときでも、このアプリのサーバーに記録された残業時間を用いれば、会社側が反論できなければ、残業したという強力な証拠として使えます。
また、未払い残業代を会社に請求する場合、アプリに登録されている弁護士へと記録された情報を持っていけば、相談や依頼をすることも可能です。
まとめ
マスコミが「サービス残業をやめよう」と言い立てても、また行政がサービス残業を禁じる制度を作っていても、こういった問題は、結局のところ社会の雰囲気は中々変わるものではないんじゃないかなと思います。
ひとりひとりの当事者である労働者が自分で泣き寝入りせずに、例えばこのアプリが一般的になって、残業代を当たり前に請求し始めていくことで社会は変わっていくのではないでしょうか。
「残業証拠レコーダーは、残業代請求において、労働者と会社の力関係を変える可能性を秘めている」と開発者側は発言されています。
実際には、「サービス残業が我慢できない!請求してやる!訴えてやる!」というは簡単なことではないでしょうが、いざという時のために持っておくとよいアプリだと思います。