Wi-Fiという言葉はよく聞き来ますが、Wi-Fiの意味が何を表しているのか正確に知っている人は意外と少ないようです。
何気なく使っているWi-Fiとはどんな意味の言葉なのかを由来まで含めて調べてみました。
Wi-Fiとはなんの意味か
Wi-Fiの意味とは、無線LANの規格のひとつです。
Wi-Fi Alliance(アライアンス)というアメリカに本社を構える業界団体が認定している規格になります。
まず、無線LANというものは無線通信を利用してデータの送受信をする仕組みですが、
無線LAN技術ができたばかりの当初は、
各メーカーの間だけでなく、同一メーカーであってもラインナップの異なる製品間では、データを送受信をする仕組みが異なっていることがあり、製品間における相互接続は保証されていませんでした。
なので、ユーザーが製品を買う際にどの製品を買えば自分が望むように無線LANをつなげらるのかがわからなくて、無線LANの一般への普及に問題を抱えていました。
そこで、Wi-Fi Allianceは、無線LAN製品の普及促進を目的に、相互接続性の試験方法を決めて、試験に受かった製品を認定するようにしました。
そして、認定された製品は、Wi-Fi Allianceの登録商標であるWi-Fiのブランド(ロゴ)を使うことができるということです。
まとめると、Wi-Fiとは、メーカーや製品が違っても無線LANでつなげることができることを保証するためのものです。
なので、家電量販店でWi-Fiという単語をよく見かけるということです。
ちなみに、日本では無線LAN=Wi-Fiという誤用が一般的に定着してしまっているので、そこは注意しておきましょう。
Wi-Fiとはなんの略語で名前の由来とは
Wi-Fiって書き方も、音の響きもカッコイイと私は思いますが、実はこれでWi-Fiって略語ではなく正式名称なんだそうです。
たまにWi-Fiには正式名称や名前の由来があると、以下のように誤解している人もいます。
Wi-Fiを省略せずに全部書くと、Wireless Fidelityとなり、
日本語で言うと、Wireless=無線、Fidelity=忠実という意味になるのだと。
しかし、Wi-Fi Allianceの創設メンバーで、Wi-Fiという名前を選んだPhil Belanger氏はWiFiは「Wireless Fidelity」の略ではない(英字記事)で否定しています。
Wi-Fiは特にそういった意味を持たない言葉で、ただ無線LANの規格を表すだけの言葉なのです。
これはWi-Fiという名前が考案されたときのいきさつに関係しています。
Wi-Fiの名称は、規格を広く普及するにあたって、ブランディングやマーケティングの考えからIEEE 802.11などの無味乾燥な規格名称よりもキャッチャーな名前にしたかったという理由から付けられました。
Wi-Fiの名前は、Hi-Fiという音響業界に使われる言葉の韻を踏んで(響きを使って)命名されました。
とくに意味はなく、あくまで音の響きや字面の良さからの命名ということでしょう。
ただ、Wi-Fiという言葉がまったくなんの意味も持たないのはまずいと主張する人もいたので、後付けで「Wireless Fidelity の略である」という名前の意味、由来解釈が付けらたといういきさつがあります。
(最初の一年ほどは「The Standard for Wireless Fidelity」と仕方なくつけていたそうですが、もうつけていないとのことです)
ITで言うと、プログラミング言語のJavaとJavaScriptもマーケティングの観点で似た名前になっているだけで実はなんの関係もないというのと同じ類の話ですが……。
いやー、こういう名前の付け方は、人を勘違いさせて混乱させて、面白いですよね。