結核と診断されて入院することになったときの体験談を書いておきます。
自分の人生とは関わりない病気だと思っていた結核と診断され、入院が必要ですと言われて、当時かなり不安な気持ちになりました。
まさか自分が結核をわずらうなんてと、信じられない気持ちでした。
そのときに、自分が欲しかった情報について、まとめて書いておきます。
結核と診断されて、どのような流れで治療していくのか、入院時に必要なものはなにか、退院後はどうなるのかについて。
医者でも専門家でもない、一患者の体験談だということを念頭に参考にしてください。
地域や病院によって対応が違う部分もあると思います。
より詳細で正確な情報は、専門家のページをみてください。
目次
結核と診断されるまでの流れ
結核と診断されるまでの経緯を紹介しておきます。
私の場合は、最初は咳(せき)が少し出るようになって、風邪かなと思い風邪薬を買って飲みました。
また、のどが乾燥するような感じがして痛かったので、のどにプッシュして使うタイプの薬も買って使いました。
けれど、いっこうに症状がよくなる気配がありませんでした。
呼吸ができなくなるくらいにせきが出るようになって、咳のたびに痰(たん)が出るようになった頃に、近所の呼吸器内科の個人病院に行きました。
その病院でレントゲンを撮って、結核などのおそれがあるからと近所の総合病院への紹介状をもらって行きました。
2つめの総合病院でCTスキャンを撮ったのに、結核ではないと誤診され、数か月後に行った3つ目の総合病院で結核と診断されました。
結核と診断されてから入院するまでの流れ
病院で結核と診断されて入院するまでの流れについて書きます。
結核と診断された日から、職場に行ってはいけないと言われます。
また、公共交通機関にも乗ってはいけないと言われます。
法律で決まっているそうです。
すぐに入院するように勧告されます。
入院したくないと言っても、無理でした。
https://www.niid.go.jp/niid/ja/law.html?start=6のページに
「入院は、勧告を前置としており、勧告に当たって患者等に適切な説明を行い、理解を得るよう努めなければ ならないとし、勧告により自発的な入院を促すこととされた。また、当該患者に勧告についての意見陳述の機会を与え、さらに入院中の処遇についての苦情の申出を可能にし、当該申出を誠実に処理し、その結果を申出者に通知しなければならないこととされた。」
と書かれていますが、自発的な入院というのは……建前だと感じました。
入院してからでないと治療薬を処方してもらえませんでした。
仕事の都合など、個人の事情は無視されます。
ただ、即入院ではなく準備に数日程度なら待ってもらえました。
入院の前に、自宅に保健所の人が、入院について説明をしに来ました。
そこで、説明を受けて同意したということを紙にサインします。
入院当日は、自宅から病院まで病人を運ぶ専門のタクシーに公費負担で運んでもらえました。
感染患者用のエレベーターを使って、感染病棟へと収容されます。。。
入院生活について
結核における感染病棟での入院生活について書きます。
入院時の部屋について
部屋は個室になります。
トイレ、シャワー室がある個室とない個室がありました。
入院してすぐの時は、菌の排菌量が多いので、トイレ、シャワー室ありの個室でした。
途中で、新しく入院する人がいて、トイレシャワー付きの個室がない場合は、元から入院していた人がトイレシャワーなしの個室に移動になります。
洗面台はどちらのタイプの個室にもありました。
日々の生活について
毎週一回、血液検査、レントゲン検査、痰(たん)の検査、体重測定をしました。
毎日、(4回)体温測定と血圧検査をしました。
毎日、お昼に薬を飲みます。
薬を飲み始めの頃は、副作用がでているかどうかの質問をされます。
副作用が出ていないか、目の検査をしました。
保健所の人が来た時に、何枚か書類にサインします。
……あとは、日々何もすることがありません。
毎日、部屋に掃除をする人が来てくれます。
毎日、ご飯が用意されるので取りに行って食べます。(大盛りは無料でした)
毎週、ベッドシーツを交換してくれる人が来てくれます。
……快適に過ごせます。
痰(たん)の検査で、せき込んでも痰が出ないときの、鼻か口から細長い管(カテーテル)を喉奥まで突っ込まれて痰を採取されるという苦行を除けば……
食べては寝るだけという快適な入院生活でした。
暇を持て余さないために、部屋の中でできる作業や趣味などを用意しておくとよいと思います。
入院前に用意しておくとよい持ち物
入院中に、あったら良かったなと思う持ち物を書いておきます。
今の時代、通販で買うことができますので、心配する必要はありませんが……
わざわざ取り寄せて買うまでもないものは持っていくのがいいと思います。
おそらく、病院ごとにどんな備品があるのかは違うと思いますので、正確な情報は入院することになった病院にお問い合わせをしてください。
・スリッパ
クロックスみたいなのが履きやすいと思います。入院部屋や感染病棟フロアを歩くときに使います。必須の持ち物です。
・服
当たり前の話ですが……2,3着持っていきましょう。
好み次第ですが、オススメはパジャマ(寝間着)としても着れるし、検査やご飯のときには病院内を歩きますので、室内着としても着れる服だと過ごしやすいと思います。
・コップ
部屋においてありませんでした。薬を飲むときに必要になるので、持っていきましょう。
ラウンジに電気ポットと電子レンジはありました。
・歯磨きセット
・バスタオル・ティッシュ
・シャンプー・ドライヤー
・ハンガー・洗濯洗剤
洗濯したものを干すハンガーを少し持っていきましょう。
(乾燥機もお金が毎回かかるので、節約したいという人はハンガーあるといいです)
洗濯洗剤は買うのがイヤであれば持っていきましょう。
・印鑑・ボールペン
各書類を記入するときに必要になります。
・暇つぶしのモノ
テレビはかなり割高になります。
ラウンジには一応、本・漫画・DVDが置いてありましたが、流行のものはなかったです。
時間をつぶせるものを持っていきましょう。
これだけあれば、快適な入院生活が送れると思います。
入院中の面会について
面会については、病院が受付をしている時間内であればいつでも可能でした。
面会者の人は、感染病棟に入るまえに「N95」という空気感染予防用のマスクを着用する必要があります。(たしか200円くらいで病院内で売ってます)
入院中の外出について
入院初日から2週間ほどは一切の外出を禁じられます。
感染病棟フロアのみでの生活になります。
それ以降は、病院内の決められた場所に行くことはできます。
と言っても、私の入院した病院の場合は、病院内のコンビニと屋上だけでしたので、そんなに嬉しくありませんでした。
コンビニにモノを買いに行ける分だけマシになった程度でした。
病院外への外出は無理でした。
感染病棟に出入りするには、カードキーが必要でしたし、病棟外に行くときは時間が決められていたので、こっそり外出するというのは、難しいです。
感染病棟フロアは高階層、かつ、窓の開けられる隙間も小さかったので、窓からこっそり外出も難しくなっていました。
昔は、無断外出する人がけっこういたんだと思います。
入院中における他の病気・ケガなどの治療について
結核以外にも、なにかしらの病気・ケガなどで通院していた場合について書いておきます。
自分が治療を受けたい診療科が入院している病院にある、かつ、その診療科に陰圧機と呼ばれる装置がある、という条件を満たせば、結核以外の治療も本格的に受けることが可能です。
残念ながら、そうでなければ、本格的な治療を受けることはできません。
入院している個室に、その診療科の先生は診察には来てくれますが、設備がなければ治療できない種類の傷病の場合は、応急処置みたいなのが限度です。
症状が悪化しようが、苦しみがあろうが、外出はできませんでした。
もし結核と診断されたときに、他の傷病を抱えている人は、結核以外の治療を受けられるかどうかを入院前にしっかり確認した方がよいです。
入院期間について
入院期間については、最短で5週間かと思われます。
だいたいの人は、3か月以内に退院するとお医者さんは言っていました。
最初の2週間というよくわからない期間を経てから、毎週1回、痰(たん)の検査をするわけですが……
(最初の2週間は、薬を飲んで間もないから効果が出ておらず、どうせ検査しても陽性だからというような理由だった気がします)
この検査の結果が、3週間連続で陰性だったら退院できるという制度でした。
2週間連続で陰性でも、最後の週で陽性だったら、また最初からやり直しということになります。
私も検査のやり直しをし、2か月以上入院していました。
退院した後の結核治療について
退院=結核の完治というわけではなく、退院した後も治療は続きます。
といっても、大したことはしないです。
・入院中のときよりも、薬の量は減りますが、毎日、忘れずに薬を飲む
・なぜか本当に薬を飲んでいるのか確認するために保健所(?)の人に薬のカラを提出する
・毎月、病院に行って診察を受ける
これを4か月程度やるだけです。
結核治療にかかる費用について
結核の治療にかかる費用について、どれくらいの費用が必要なのか書いておきます。
入院治療の費用について
入院費用に関しては、基本的な部分(部屋代・食事代・治療代)は無料になります。
(公費負担を自治体に申請するための書類にサインします)
洗濯も生活を送る上で必須なはずなのに、洗濯代はかかります。
また、冷蔵庫・テレビもお金がかかります。
それと、入院中に結核治療以外の治療・診察を受けた場合は、料金がかかります。
退院後の外来治療の費用について
退院した後も引き続き薬を飲んで・通院もしないといけないわけですが……
薬代やレントゲン代などの治療費に関しては、95パーセントが公費負担だと聞きました。
薬代を含めて診察代は、1回あたり1000円を下回る程度の額でした。
病院までの交通費は、全額自己負担になります。
結核になった場合の仕事について
結核で入院した場合、当然、部屋で完結するような仕事をしている人以外は仕事はできないわけですが……
退院した後も、仕事の種類によっては就業制限がかかるということでした。
私は就業制限にかからなかったので、詳しくは聞いていないのですが、
色んな人と多く会う職業、色んな場所に行く職業など、感染拡大の怖れがある仕事をしていると就業制限があると言っていました。
結核入院したときの体験談まとめ
結核という診断を受けたときは、驚きと恐怖がありましたが、入院生活も治療も、全然普通でした。
(経験者ならわかる)リハビリのようなつらい作業や怖い治療もなかったし、食事制限があるというわけでもなく。
毎日、忘れずに薬を飲むだけという。。。
外出できない・仕事できないという点を除けば、快適でした。
結核と診断されて、どうなるんだろうと思っている人の不安を和らげることができたなら幸いです。