スーツ2着目が安くてお得なのに儲かる理由が当たり前すぎでした

なぜスーツの2着目は1000円とか半額とかありえない安い割引価格で売っているんだろう、って。

スーツのお店でスーツを買ったことがある人は不思議に思ったことがあるのではないでしょうか。

激安セールのときじゃなくても年中そんな割引販売をしているので、怪しさを感じていたのですが、安さの理由を知ると当たり前すぎでしたし、納得でした

スーツの原価と価格構造

スーツ販売店や紳士服店が年中に渡って2着目以降は格安の価格セールをしているわけですが、なぜわざわざそんな安い価格で販売するのか理由を考えれば、それは当然、お店が儲かるためであるわけです。

では、その儲けを計算をするために、スーツの原価がどれくらいなのかを考えてみたいと思います。

スーツの製造原価は各メーカーや製品によって差はありますが、一般的にだいたい販売価格の30%から40%と言われています。

材料費としては、4%です。

スーツの原価って10%前後だと聞いたことがある人もいるでしょうが、その数値は材料費に製造経費や外注加工費、配送費、包装費、消耗品費などの諸々の費用を足した売上高変動比率を指していると思われます。

4%にしろ10%にしろ、この数字を聞いて多いと思ったか少ないと思ったかどうでしょう。

私は意外に少ないなと思いました。

スーツの販売価格の構造を文で説明しようとすると伝わりにくいと思うので、ここからは図にしていきたいと思います。

スーツの価格構造の図(会計学っぽい図)

スーツの価格を会計学っぽくみると、だいたいこんな感じになるのだとだけ思っていただければ。

スーツを1着定価で売ったときの利益構造の図(経営学っぽい図)

上記の図はスーツ1着を定価10000円で販売したときの利益構造の図になります。

図の一番右側の数字は、スーツが1万円だったとしたときの内訳の具体的な金額です。計算しやすいように1万円の格安価格のスーツで考えていますが、1万円の安いスーツなんて買わないよって言う人は、頭の中で5倍とかにしてください。

儲け(営業利益)は、販売価格の10%になるというイメージです。

スーツを2着目半額で売ったときの利益構造の図

今度の図は、2着目を半額にしてスーツ2着を販売したときの利益構造になります。(10000円+5000円の価格で計算しています)

儲け(営業利益)の割合が販売価格の10%から33%になっていてお店が得するようになっているのが分かるかと思います。

スーツ2着目が安くてもお店が儲かる理由

なぜ、2着目を半額で売ったにも関わらず、利益率(儲けの割合)が大きくなっているのかの理由を説明します。

図を見てもらえば、わかると思いますが、変動費と書かれた部部のお金は2倍の金額になっているのに、固定費と書かれた部分のお金は1着を売っても2着を売っても変わっていません。

この固定費が、スーツ2着目の安売りによる儲けの仕組みになります。

固定費という費用は、お店の家賃代だったり、電気代だったり、店員さんの時給だったり、宣伝広告費のことを意味しています。

売上枚数が1枚だろうが100枚だろうが、これらの固定費はほとんど変わりません。

固定費は売上ではなく時間に比例して増えていく費用(コスト)なので、できる限り短い時間でたくさん売れば売るほどお店は儲かるということです。

紳士服の販売って、なぜかつきっきりで接客してくるので、非常に人件費がかかるのは想像がつきます。

いつ売れるかわからない商品をずっと置いておくよりも、2着目の価格を安くしてでもまとめて買ってくれる人に売ってしまったほうがお店の儲けになるということなのです。

こうやって順を追って整理して考えると、スーツを1着目から安くすることはできないけど(最初から半額で売ってしまうとどれだけ売っても赤字にしかならない)、2着目からは安くできる理由がわかってすっきりしました。

少しも怪しくなくて、当たり前でした。

 

スーツを安く買う考え方と方法

スーツを安く買おうと考えれば、1着だけでなく同時にまとめ買いをすれば安く買うことができるとわかります。まとめ買いは買い手にとっても売り手にとってもトクになることです。

また、こういった価格の仕組み、お店側の事情を知っていると、スーツを買う時にどこまでだったら値切りができるかもわかります。

さらに、固定費である人件費(接客、採寸)や宣伝費、店舗代などが安くなる工夫をして製造原価にお金をかけているお店であれば、価格は安くても品質の良いスーツを買えるということも分かります。

となると、やはり安く買う方法として今の時代は、ネット通販の便利さは大きいですよね。ネットだと一着だけの購入でも店舗にはない割引があったりもしますし。

ネットとリアル店舗の両方の良いとこ取りをした販売方法をやっているお店も増えてます。
体型に合わせた採寸データを保存してくれておいてくれて、何度も採寸する手間を省くと同時に価格を安く抑えてくれるも店もあります。

スーツの買い物をするときはお気に入りのスーツを買えるように心掛けていたいなと思います。