VRが立体的に見える原理

VRって立体的に見えてすごいのですが、なんで立体的に感じるのか?
VRの原理や立体感の仕組みを知っておくことは今後の生活のためになると思ったので調べてみました。

VRの意味とは?

そもそもVRという言葉は、なにを意味している言葉なのか。

VRとはVirtual Realityという英語の略語です。日本語では、一般に「仮想現実(感)」と訳されています。

けれど、この「仮想現実」という日本語の語感のため、VRの意味は勘違いされていることが多いです。かくいう、私が勘違いしていた人です。

VRとは、技術(テクノロジー)を使って、本当の現実ではないんだけれど、現実であるものと本質的に同じものを作り出す研究分野のことです。

英和辞典では、以下のように説明されています。

バーチャルリアリティ(Virtual Reality)とは、
「実際の形はしていないか、形は異なるかも知れないが、機能としての本質は同じであるような環境を、ユーザの感覚を刺激することにより理工学的に作り出す技術およびその体系」

バーチャル (Virtual) とは,
「みかけや形は原物そのものではないが,本質的あるいは効果としては現実であり原物であること」

私の勘違いは、バーチャルとはリアル(real、現実)の反対に位置する意味を表す意味の言葉で、偽り、触れない、幻、虚ろといった実体のないことを意味するんだと勘違いしていました

そうではなくて、バーチャルとは「本質」という概念に目を向けた考え方であり、
単なる虚構のことではなく、(ある程度)本物と同等の効果を有する」という考え方の言葉でした。

例としては、バーチャルマネー(Virtual Money)と呼ばれる電子貨幣やカードなども、今までの貨幣の形はしていないけれど、ニセ金ではなく、きちんと貨幣と同じ役割(支払、貯蓄)を果たしています。

そして、人間が捉らえている現実とは、あくまで人間の感覚器官である目や耳、鼻などによって脳に投影した世界の写像であるとするなら、

人間の感覚器官がどうやって世界を捉えているのか、その仕組みや途中過程を分析して技術的に構築すれば、現実を作ることができるということです。

ざっくり言うと、これが仮想現実になります。

今の一般的なVR

今、世間で一般的に「VR」と言われているものは、
実写やコンピューターグラフィックスで作りだした360度の映像の中にユーザーが入っているかのような没入感のある視聴覚体験ができるものを指しているのではないかなと思います。

なので、実はこれはあくまでVRという分野の一部でしかないのですが、
この記事では、視覚に限ったVR原理について書きます。

人間が物を立体的に見る原理

人間が立体感を感じる理由はざっくりと、以下のものがあります。

①両眼視差:片目をつぶって物を見ると、左目と右目で物の位置がズレて見えます。
②輻輳(ふくそう):また、物の位置がズレて見える度合いは、遠くにある物ではあまり変わりませんが、手前にある物ほど大きくズレているはずです。
③運動視差:そして、自分が動けば物の見え方、ズレ方も変わります。
④焦点調節:視力検査のときくらいしか実感できないしょうが、目の水晶体のピント合わせも左右の目でズレがあります。

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(出典:http://lab.sdm.keio.ac.jp/ogi/vr/step7.html)

実は、このズレが物を立体的に見るためにとても重要なんです。

私たちは、左目と右目とではそれぞれ違う角度、焦点で物を見ているため、見え方には左右でズレが生じています。
このズレの度合いから幅や奥行きなどを読み取り、人間の脳は目の前にある物を立体的に捉えている……ということです。

なので、これらの要素を理解して、見え方のズレを人為的に作り出した画像や映像は立体的に感じるということです。

2Dの図や絵の描き方で、遠近法という言葉を学校で聞いたことがあると思いますが、これも人間の視覚の原理に基づいて距離感、立体感を持たせるための描画技術ですね。

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VRや3D映像は、描画技術に収まらず科学技術を駆使して立体感を生み出しているというわけですが、どうやってかというと以下の感じになります。

3D映像が立体映像を作り出す仕組み

①人が左右の目で微妙ズレて違う映像を見ているのなら、そのまま視差の分だけ右目用、左目用のレンズを離して右目用、左目用の映像を撮影する

右目用、左目用の映像をそれぞれ左右の目で見る映像装置で見る

3D映像を見るときに、裸眼で見ると平面的な映像だったりヘンテコな映像なのに、メガネをかけてみると確かに立体的に見える3D映像を見て不思議に思った経験をされた方はいるんじゃないでしょうか。

メガネは左右の目で違う映像を見るために必要な道具だったということです。

TV画面や映画館のプロジェクターのような、一つの映像画面を使って左右で違う映像を見せる方法は、いくつかあります。

時間差で違う映像を見せる方法
メガネにはシャッターがあって左目用の映像が映っているときは右目のシャッターが閉じている、という仕組みです。

同時に違う映像を見せる方法
メガネは左右でそれぞれ特定の振動の光だけが通るようになっている、という仕組みです。
(左右で色が違う赤青メガネもこの方法の一種です)

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(出典:http://www.mecan.co.jp/Optical-Film/3D-Glasses/Tech-inform.html)

この方法は普通の映像が、一つの映像の流すのと比べて、同時に2つの映像を流すので映像情報量が多くなります。つまり、綺麗な映像を見ようと思えば普通の映像より高い解像度が要求されます。

VR映像が立体映像を作り出す仕組み

当然ですが、VR映像も上記の3D映像と同じ視覚原理に基づいています。ただ、3D映像に比べてよりリアリティを感じれれる仕組みになっているということです。

ここの話までで、どうしてVRでは「VRゴーグル」「3Dゴーグール」「HMD(Head Mounted Display:ヘッドマウントディスプレイ)」が必要なのかはなんとなく理解できたのではないでしょうか。

左右で違う映像を見せるためです。同時に違う映像を見せる方式なので、高い解像度が必要になります。

さらにVR映像の場合は、TV画面や映画館での3D映像にはない違った特徴がありますね。

それは、メガネと違ってVRゴーグルやHMDは360度全方位、視界のすべてが映像で覆われる」ということですね。

今までの一般的な3D映像は画面の枠内だけが立体的に見えますが、VRでは視界に入るものすべてが立体的に見えるので、自分自身が画面の中の世界に入り込んでいるようなリアルな体感が得られます

(その分、360度の映像を撮影や生成をする必要があるので、ただの3D映像よりも作るのに手間がかかります)

また、それだけではなくて、技術的に③頭の動きに合わせて映像も動くようにできるようになったことで、よりいっそう仮想世界をリアルに感じられるようになっているのです。

現在のVRのディスプレイ装置では、一般的には映像画面が固定されているので、④焦点調節の制御は行えていないです。

簡単に言えばVRが立体的に見える仕組みは以上のようになります。なんとなくのイメージはわかったのではないかなと思います。

ただし、細かく見て行けば、頭の動きに合わせるシステムの精度や、それだけでなく目の動きに合わせたシステムだったり、

当たり前ですがリアリティを作り出すための技術はものすごくたくさんあって多くの技術、工夫が使われているのです。

今回の記事では省いてある、聴覚の技術だってVRでは使われるようになっています。

リアリティを作り出すための技術が、様々な技術領域のかね合わせによって実現しているわけなのですが、

それぞれの技術領域がまだまだ発展途上であることからも、それぞれの技術が進歩するに従ってVRもどんどん進歩していくことになるだと思います。

ちなみに、VRはたくさんの技術のかね合わせなので、VR映像ディスプレイなどの装置のお値段もピンからキリまで幅広くあるのだということがなんとなくわかるのではないでしょうか。

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